古代遺跡、イスラム文化、アラ      ブ文化、美しい砂漠とオアシ

 ス、 透明度の高い海・・・

 魅力あふれるエジプトは、

 2度、3度と訪れても、きっと

 新しい発見が待っいる! 

憎めないエジプシャン達と

出会い、大自然に触れ、 

古代遺跡を訪ねれば、

きっとまたエジプトに

戻りたくなる

 



エジプト人のイスラム


人間が生活全般において唯一神「アッラー」の教えに従って行動することを指し示す。そのため神はその教えの基本となる啓示を、 地上の預言者を通じて人々に伝えなければならない。この神の啓示(御言葉)を預かり受ける地上最後の預言者が ムハンマド(モハメット)である。彼の神から受けた啓示に従って行動する人々。すなわち、神に帰依する人々がムスリムである。

歴史的に見るとイスラムは、610年、アラビア半島のメッカで神の啓示を初めて受けたムハンマドの登場により始まる。その後幾多の迫害を受けながらもムハンマドとその信者達の努力により、632年にはイスラムの旗印の下、初めてアラビア半島がほぼ統一される。そしてその後わずか20年、ササン朝ペルシャを滅ぼし、80年でスペインまで征服し、120年後には、中央アジアで中国の唐の軍勢を打ち破った。ムスリム達は広大な地域でイスラムの共同体(ウンマ)を形成し、土地の人々の間にもその教えは急速に浸透していった。ムハンマドの死後、その後継者をめぐる争い、あるいは、土地の支配者達により次第にイスラムの分派が生じてきた。しかし、根本的なイスラムの教義『5行(礼拝・断食・喜捨・信仰告白・メッカ巡礼) 6信・ムスリムが信じるべき6つの対象(預言者・天使・啓典・来世・天命・アッラー)』は、現在もムスリム達の間で信じ、実行されている。もっと詳しく、簡単にわかりやすくイスラムを理解するためには、小杉泰 著 「イスラムとはなにか」講談社現代新書などを読まれると良いでしょう! 

イランにイスラムがもたらされたのは、ササー朝ペルシャがアラブ人によって滅ばされてから後になる。現在の中東イスラム圏の国々は7世紀以降のアラブ人の侵入によりイスラム化されて行った。長い年月によりイスラムにも宗派がわかれ、同じイスラム圏でも各国ごとに、微妙にその習慣・風習に違いがあるようである。以下は、特にエジプトのイスラムについてもう少し詳しく見てみましょう。

エジプトにイスラムがもたらされたのは、641年、アムル・ブンアル・アースの率いるアラブ軍による。それ以前のエジプトは、キリスト教世界の中心地のひとつだった。しかし、イスラムがもたらされると瞬く間に人々の間にその教えが広がり、14世紀になると、地中海貿易による富も集まり、しだいにエジプトはイスラム世界での中心地へとなって行った。現在のカイロ・イスラム地区の基礎はその頃に出来た。現在のエジプトでも国民のほとんどがムスリム。したがって人々の生活は基本的にはイスラムの教えに沿っている。しかし、近年急速な西欧化が進み、それにより本来のイスラムの教えに反する風潮が世間に広まっていった。

一般のエジプトムスリム達はそれを受け入れつつ日々生活をしているのだが、ある一部のムスリムによると西欧の文化を受け入れるということは、イスラムに対しての背信行為にあたるということでこれを阻止しようと、イスラム同砲団という集団が組織された。1920年のことである。しかし元々彼らは合法、平和的に目的を達成しようとするイスラム原理主義の穏健派でテロ行為とは無縁の人々。ところが、1970年代のサダト大統領の急激な西欧化政策に対抗すべくテロ行為による反政府活動を行う集団が現れた。イスラム原理主義の少数の過激派というわれる集団である。彼らは、サダト大統領暗殺に始まり、反政府活動として政府関係者への数々のテロ行為を行ってきた。1990年代に入るとそのテロの矛先が政府関係者だけではなく、一般観光客にも向けられるよになってしまった。しかし、彼らは、エジプト社会では認められず、多数のエジプト人も彼らの行為によって多大な被害を受けている。

エジプトのイスラム文化に触れたいということであれ、カイロのイスラム地区に出かけてみると良い。ピラミット等の古代遺跡とは違ったエジプトを見ることができる。中世以来イスラム文化の中心地として栄えたカイロがある。ハンハリーリのスークのすぐ近くにある、アル・アズハルモスクでは、各時代ごとのエジプトイスラム建築の特徴をみることができる。また、一般のエジプト人も礼拝に来るので、モスクらしい雰囲気に浸ることが出来る。

エジプトのモスクの特徴はまずミナレット。細い円塔が何層にも高く積み上げられており、各層ごとに違うかなり複雑な装飾が施されている。ドームもチューリップのつぼみのように上部を長めに丸く作っている。モスクに入場する時はたとえ異教徒でもイスラムの教えに従い、女性は肌の露出を抑え、スカーフ等で髪の毛をおおって入る。モスク内は、土足厳禁で、写真撮影も控えるべきである。ただし、モスクによっては異教徒の入場が出来ない場合があるので注意。

エジプトには西欧の文化が沢山入ってきており、人々もそれを十分受け入れているので、異教徒である外国人がイスラムの教えに強制的に従う必要はない。ムスリムであるエジプト人事態も今ではかなり西欧化した生活、行動をしている。しかし、エジプトを旅する場合やはりイスラムの教えを理解した行動はとるべきであろう。

外国人の多く宿泊するホテル、レストラン以外の場所で、特に街中で飲酒しているエジプト人はいない。敬虔なムスリムの女性はイスラム服(体の線がはっきりしない丈の長い服)を着て、スカーフで髪の毛をおおう。そういう女性達に断りなくカメラは向けられない。真夏の街中で肌を極端に露出しているのは外国人だけ。街中で腕を組み、寄り添って歩くカップルはいない。中華料理のレストランあたりへ行かないと、豚肉を使った料理はほとんどない。1日5回の礼拝の呼びかけ(アザーン)が毎日モスクより決まった時間に聞こえくる。

ラマダン月には1ヶ月の断食を行う。決してエジプトイスラムは異教徒にイスラムを強制はしないが、イスラムの教えに沿った彼らの行動は尊重すべきである。